#7:オレがサラリーマンになった日

2020.11.12
#7:オレがサラリーマンになった日

 


 2020年4月1日 株式会社ソノリテに入社した。
 サラリーマンハチミツ二郎の誕生である。





 本当はこの頃はアメリカにいる予定だった。
 フロリダのタンパで行われる世界最大のプロレスの祭典『レッスルマニア』を観に「ハチミツ二郎と行くレッスルマニア観戦ツアー」を組んでいたからだ。このツアーは3年連続3年目。
 しかし世はコロナショックの真っ只中。3月からは吉本の劇場も封鎖。無観客でライヴ配信もやったりしていたが、3月中旬からは全劇場が完全封鎖。
 勿論アメリカにもコロナショックは蔓延し、3月中にレッスルマニアの中止が発表された。その周りの多数のイベントも総て中止、そもそも渡航も禁止になっていた。自動的に観戦ツアーも中止。
 当初リモートで参加する予定だった新入式も普通に参加出来ることになった。
 春休みだったので妻が車で会社まで送ってくれた。後ろの席でNINTENDO Switchをやっていた娘も「パパがんばって」と送り出してくれた。

 緊張。
 間違えて1つ上のフロアに行ってしまう。
 何階だったっけな?
 エレベーターで1つ下がってソノリテへ。
 あと少しで私は違う会社に「おはようございます」と入っていくところだった。
 サテライトスペースには沢山人がいた。その横の会議室へ。
 同期入社は4人。スーツにネクタイとゆう決まりもないので中にはTシャツネルシャツリュックサックとゆう人もいる。
 特に自己紹介もなく、塩田さんからの紹介もなく、入社時期オリエンテーション。塩田さんから新入社員の説明を受ける。そのあとに齋藤社長からの話。IT企業なのでPowerPointを使って。
 そのままサテライトオフィスを抜けて奥のデスクが並ぶ部屋へ。各自にパソコンが支給されセットアップ。その後サテライトフロアに皆んな集まり新入社員式。
 オレも挨拶
 「芸人のハチミツ二郎です。齋藤さんと縁があり、サラリーマンになることになりました」

 齋藤さんはどうやらオレが入社することをサプライズにしていた。
 面接時やその前に会社に顔を出した時に会った数名とそこから話を聞いた数名以外は自分の会社に現役のお笑い芸人が入社してくるなんて夢にも思っていなかった模様。
 驚きの声とゆうより、キョトン?としてる人が多数だった。何で??
 同期社員の人たちはここで初めてさっきから一緒にいたのが私であったことに気付く。「俺スゲーファンなんです。ゲームのプログラマーなんでなんでも言ってください!」「やっぱりそうでしたか!?似てるなぁーと思ってたんです」みたいな反応だった。
 株式会社ソノリテの社員は51名。オフィスも賑やか。





 春休み。サラリーマンになったら昼メシ(ランチ)何食べよう?と昼メシが楽しみだった。お弁当作ってきて近所の公園で食べようかなぁとか。
 宇留野さんに聞いたらそんな人は(ソノリテ)にはいない、と。皆んな外で食べたりUber eatsを頼んだりしているとゆう。Uber eatsなんて流石IT企業だ。だが、しかしオレは足と鼻で探す。
 会社の近くにある天ぷら さいとうへ。
 食券を買って出せばカウンターの中の人が一品、二品ずつ揚げて目の前に置いてくれる。ごはんとお味噌汁とイカの塩辛は食べ放題。福岡の名店ひらおスタイルだ。
 とり天がある。とり天が食べたかったのでとり天定食にした。揚げてもらって食べてる途中でとり天が切れたと言われ、イカ天に変更。とり天抜きのとり天定食。何を食べたかったのか分からなくなる。
 やっぱり揚げたての天ぷらは美味しかった。ごはんも美味しかった。また来よう。向かいの店は行列のとんかつ屋のようだ。ここも近いうちに来よう。





 午後、オフィス二戻り、先生の宇留野さんに色々教わる。宇留野さんは二十代女性にして、外部の人にもコーチとしてPCについて教える先生。ITにおける幾つもの資格を持っている。
 5時になり、パソコンで出勤簿を記入し、タイムカードをタッチして帰る。





 呑みには行かず、真っ直ぐ帰宅。
 コロナだから。


次回の投稿もお楽しみに