芸人になって25年。
その間、他の仕事はしてこなかった。
プロレス関連の仕事や、出版や連載等の執筆業はやってきたがハチミツ二郎名義での仕事なのでそれは芸人の範疇の仕事。
コンビ歴的にM-1グランプリの出場権(コンビ歴15年)はもうなく、劇場メインの芸人生活。
43歳までにやりたいことは総てやり終え、日々劇場で漫才をやる生活をこなしていた。
2018年 春。
知り合いのデザイナーヤスくんから「東京キララ社とゆう出版社で本を出しませんか?」と持ちかけられた。
「二郎さんの自伝の様な物を」と。
それはニューオリンズのレストランでのことだった。
我々は別々にニューオリンズへ世界最大のプロレスの祭典WWEレッスルマニアを観に来ていた。ヤスくんはレンタカーを借りていたので私が調べに調べ抜いたニューオリンズにある美味しいお店をピックアップし、ヤスくんと同行していたテレビ朝日吉田学さん(ももクロChanプロデューサー)と毎日食事に出掛けた。ニューオリンズの地元の人たちが連日行列を作る世界一のフライドチキンを出す店としてその名を轟かす絶品のローカルレストランや窯で焼いたピタパン(おかわり自由)が絶品のイスラエル料理等、毎日美味しいお店に出掛けた。ビールBARでニューオリンズ名物ガンボスープは頼めたが、欲を言えばもっと本格的なやつが食べたかった。同じくニューオリンズ名物ザリガニ料理も行けなかった。
そんなレストラン巡りの中で出た話だった。
話の中でキララ社がもうすぐ神保町の芳賀書店と一緒にやって行くかも知れないとゆう事を聞いた。芳賀書店といえばエロ本だ。それは昔、一緒にライヴをやったいたエロ漫談家 殿方充がネタの中で言っていて、憶えていた。
帰国して荻窪の曙ステーキでヤスくんのお父さんと会食があった。ヤスくんのお父さんはTBS『クレイジージャーニー』の初期の頃に特集されたアメリカの極悪刑務所を渡り歩いて来た男 KEIさん。チカーノKEIさん。著書や漫画作品にもなっているので是非読んでみてください。元は不良も不良のKEIさんですが、現在はNPO法人を発足し、育児放棄にあっている児童や施設に入っている児童の為のボランティアを行っています。
この食事会にキララ社代表の中村さんもいた。
ヤスくんに紹介され、私は中村さんに言った。「芳賀書店さんと連携されているとゆうことで、そしたら自分の自伝とかではなくて、エロ本作れないですかね?」
却下されるかもと思ったが、中村さんは次の瞬間言った。
「いいですね」と。
世は日本からエロ本がなくなるとゆう危機の最中にあった。
2020年東京オリンピックに向けて、コンビニから有害図書のエロ本の排除が決まった。本屋がどんどん潰れていってしまう中、コンビニに置けるかどうかとゆうのはエロ本業界にとって死活問題。生命線。
よし!じゃあオレたちが作ろう!とゆうことで私とキララ社の中村さん、芳賀書店の芳賀さんの3人のおじさんが、エロ本業界の為に、勝手に立ち上がったのだ。
吉本の方の連絡待ち、クラウドファンディングの準備期間等に約1年費やしてしまったが、2019年秋にいよいよ撮影・製作スタート。
目標金額100万円。
クラウドファンディングのリターンは
・少額なら出来上がった本を送本する
・値段によって本の中にお名前を掲載されて戴く
・10万円でグラビアに登場出来る
・20万円で8ページインタビューを掲載します
とゆうものだった。
20万円支援して戴いたら貴方のインタビューを8ページ掲載するとゆうものだった。
読者にとっては知らねぇ人のインタビューを8ページも読まされるとゆうもの。
しかし、自費出版をすると考えれば20万円なら安いもの。
早々と20万円の出資の話が来たが、そのおじさんはお金を払うので自分が推している3人組地下アイドルのインタビューをしてほしいとゆう事だった。
違う。20万円は製作費の足しとして大きいが、地下アイドルのインタビューを載せたいんじゃない、知らないおじさんのロングインタビューを載せたいのだ。
一応、そのおじさんのロングインタビューじゃダメなのか?聞いてもらったが、あくまでも3人組の地下アイドルの為に出資したいとゆうことだったので、泣く泣くお断りした。
それからしばらく経った頃、キララ社のスタッフから20万円のクラファン入りました!とゆう連絡が着た。
エロ本クラウドファンディングに20万円出資したその人の名は
カイザーサイトウ。
#3に続く……